里帰り
久方ぶりにこれを開く。
今、出産のために里帰りをしている。
旦那くんと離れ、お腹に子どもを一人抱えて帰って来ている。
あれからいろいろあり、クソむかつくと評した義母とは別居し旦那くんと二人暮らしだ。
家があんなにのびのびして楽しい場所だとは知らなかった。
実家の両親、妹たち、祖母が応援してくれたおかげで想定よりも早く人並みの生活を送る事ができている。
でも心配なのは旦那くん。
自分の為だけに食事の用意をするって苦手な人だから、お米を炊いているのかすら心配だ。
里帰りして、付き合ってる時と同じように離れて、本当に実感した。
わたしはこの人が本当に愛おしい。
一生かけて幸せにしたいし、わたしが守っていかなくては。
普段はわたしがご飯の用意をしててもゲーム、ご飯の後ちょーっとゲームしてるとお風呂めんどくさい、なんて言い出すから時にイライラしてしまうこともあったけど、離れてみるとゲームがあるからそんなに寂しくないだろう、と思えるこの身勝手さ(笑)
しかし本当に好きだ。この人が。
ソフトクリームをなすりつけたくなるくらい好きだ。
次に会えるのは土曜日。楽しみだ。
腕枕で眠るって、本当に幸せだ。
一生かけて大事にしよう。
この子の父親を。
ちなみに女の子が生まれる。彼が女の子がいいと言っていたので嬉しかった。エコーで見えた唇が旦那くんにそっくりなのも、父が俺がお風呂に入れるんだと張り切ってデレデレしていたのも、母が大切そうにそっとわたしのお腹に手を当てるのも、その瞬間見た光景はみんなわたしの宝物だ。
女の子は男親に似た方が幸せになるって言うんだよ。
と教えた時と、時折見せるありえないデレ顔も。
名付けも旦那くんだ。
しかもわたしの祖父の名前の響きを使ってくれた。この子は優しい子になるよ。
だから苦しくないように生まれておいで。
世の中クソみたいな事も多々あるけれど、それで輝く人の優しさとか愛おしさとか、あまりある幸せがちゃんとあるって事、見せてあげるんだ。
ふーふ
ふーふってなんなんだろう。
一緒にいたい。
仕事で疲れてる。
仕事で疲れてると、人間て自分本意になってくもんなんだろうか…
一緒にいたくて結婚した。
好きだ。
しばらくそっとしとくしかないのかなー…
そっとしとく、と言うか、たぶん正確に言おうとしたら
好きなようにさせておく
普段、わたしだって疲れて帰って来て、二人の洗濯と彼のをして、ご飯の洗い物をして、彼はそれをどう思っているのか…
仕方ないのかなー、そう言えば彼は鈍感だったもの。
彼に言わせれば、たぶんわたしは敏感すぎる、となるだろう。
でも悲しいんだ。
ただ、ただ。
もーお風呂に入ろう。
朝、彼が夜は一緒に入ろうねと言ったお風呂に、一人で入る。
彼いわく、俺はしずかちゃんじゃないから日に何度も入らない、らしい。
くそ悲しい。
食と体型
食べるのが嫌いなわけじゃない。
むしろこの家に来てからの方がちゃんと食べているのに、食べるのを監視されるほど食えと言われる。
疲れた。
猫背は肩が凝るから、凝りにくいようにする。
事務は脚がむくむから、むくみにくいようにする。
肩凝りで背中が痛くなるから、背中をたくさん動かすようにする。
お腹が張ると苦しいから、腹八分目がちょうどいい。
ただ動いてるだけじゃないか。
ただ自分の体に正直なだけじゃないか。
それが結果的に体型維持につながっているだけじゃないか。
ご飯を食べてダラダラできる時間が少ないからダラダラしない。
それだけじゃないか。
食べてすぐ寝て動かないどこかのデブと一緒にするな。
わたしだって好きな食べ物なんて山ほどあるんだ。
だいたい、事務方ならわかるだろうが月末と月始めは忙しいし、仕事して帰ってきて旦那くんの洗濯をしてご飯の片付けをしてお風呂に入って寝るのが精いっぱいなんだ。
それをなんだ。旦那くんと同じ金額を家に出していても旦那くんはわたしが家事をしてる間にゲームをして眠る。
なんかもー疲れた。
今日は禁止されてる長風呂、気の済むまでしてやろう。
立ちくらみがなんだ。
クナイプ使ってやる。
あーなんかいろいろくそめんどくせぇ。くそ。
寝坊が怖くて酒は飲みたくない、けど酒を飲みたい気分だ。
誕生日
お祝いのメールは母が一番最初だった。さすがだ。母は偉大だぜ。
その次旦那くん。
次に妹たち。
でもみんな、会社にいるときに泣かせるのはやめてくれ(笑)
平日で、わたしも旦那くんもくたくたになって帰って来るので、お祝いは今週末、ということになっている。
今日は特に何もなかったがくたくただ。たぶん書類の整理だ。ぐちゃぐちゃに綴られた書類の。
もう寝たいが、旦那くんの帰りだけは待とう。
その間に洗濯物を畳んで、あと一本だけタバコを吸おう。
ほんとは誰か、例えば旦那くんとか旦那くんとか旦那くんに特別扱いして欲しいけど、まだ帰るねコールもないしそうも言っていられないので、仕方ねーか。
さ、一服してコーヒー飲んで洗濯物たたもー。
誕生日イブ
明日はわたしの誕生日だ。
で、親に感謝する日でもある、と母親に言われた。
勝手に産んどいてそりゃねーよ。
と、思ったことはもちろんある。
が、しかしだ。
妊娠がわかって、つわり安定期妊娠後期出産と来て、果たして大変じゃなかったことなどあるのだろうか。
そりゃ出産は一大イベントだが、つわりで死にそうになり、安定したからと言って気も抜けず、妊娠後期は早産の心配をしなきゃならない。
あげく、出産したらしたで今度は一人前にする、どこに出しても恥ずかしくない娘にする教育が30何年も続いたのだ。嫁に行ったら行ったでちゃんとやれているのか心配しているに決まっている。
わたしの時つわりがあまりにもひどいので、諦める、という選択肢もあったと聞いた。
果たして、親に感謝する日が明日だけでいいのだろうか。
ふとそれに気付いてしまい愕然とした。
日々、だ。
この世に出してもらって、笑うこと、泣くこと、仕事をすること、悔しいこと、幸せだと思うこと全部。
彼女の元にいられたこと全部。
あーヤバい泣きそう。
今日はじめて、親に恥じぬ娘になりたい、と思った。
今年は勝負の年だそうなので、あなたの娘、ちょっと頑張ろうと思います。
でも手紙とかは絶対だめ、絶対書きたくない、今は!
泣いて書けたもんじゃないことが目に見える(笑)
朝ごはん。
はるかちゃんは食べるの好きじゃないでしょう。
やっぱり料理は食べるの好きじゃないと上手じゃないのよー。
あたしは食べられなーい。
と、とにかくクソむかつく義母。
でも、わたしは知っている。
どう焼けばトーストがおいしくなるか、どう淹れればミルクティーがおいしくなるか、どれくらいバターを使えばオムレツが香り高くなるか、はちみつをかけたトーストの美しさや、秋の朝のコーヒーのあたたかさを。
うるせークソばばぁ。
と、思うことは毎日毎日多々多々あるが、朝ごはんをたくさん食べられない彼の『おいしい』はわたしのものだ。
さ、わたしも準備しよう。
彼とお揃いのトーストを食べて、お揃いのサンドイッチを持って出かけよう。